企画 詳細情報

受付番号 U22020
承認番号
22012A
企画名 匿名note―筑波大学交流ノート―
活動分類 交流会
活動目的 <きっかけ>
①パスカル・キニャールの作品「さまよえる影たち―最後の王国―」、を読んだことで、筑波大学でも同様の作品を製作することができないか考えたため。本作品は、小説や随筆といった様々なジャンルの断片的な記述が連続的に繋がって一つの作品として成立している。小説として位置づけられている本作は、先述の特徴から、小説という分野の新たな領域を開拓する作品と言える。そのため、同じく断片的な記述が蓄積されることによって、このノートそのものが文化的、文学的要素を持つものになるのか検証してみたいと考えたため。

②一年次の頃、コインランドリーに置かれている交流ノートを目にした。それは利用者が洗濯の待ち時間等に書いて交流を行うものであり、実際に悩み相談や雑談など匿名性を守った交流の場として成立していた。私はネット環境さえあれば全世界の誰とでも簡単にやり取りができる時代において、アナログのノートでのやり取りという交流が活発に行われていることに衝撃を受けた。それと同時に注目すべき事実であると思った。SNSが発展してなお無くなっていない、ということはつまり何かそこに人々が求めるものがあると考えたからだ。私は、それを「向こう側に確実に人がいるという実感」だと考える。SNSでは、皆同じ電子上の文字になってしまうが、アナログではそうではない。必ずその人の個性が反映される。そのため、デジタルよりも人間と交流している感覚が強いと考えられる。これはあくまで私の予想であり、実際のことは分からない。だからこそ本企画を通して、こうしたアナログの文化は何故消えないのか、を分析したいと考えた。また、コインランドリーの交流ノートを見る限り、内容は断片的で連続的な記述で①と共通する部分が多い。加えて、そこには文化の形成が見られるため、筑波大学の学生を対象に企画を行ってみたくなった。

③SNSが発展した時代、筑波大学の学生の多くもTwitter等で交流を行っている。だが、私は彼らのように実名とむすびつけたアカウントでの発信ができない。それは個人情報漏洩の観点もあるが、自分のことを知っている人間に相談をむやみに行うことができないからである。同様の考えを持つ人間は他にもいると考えられる。誰かは知らないが、同じ大学に通っているからこそ、相談できる、話をできることがあるはずだと考える。


<ゴール>
①記述を読み、どのような文化が形成されるのかを観察する。
②-1(アナログ媒体(ノートブック:クローズドな交流場所))
公式SNSアカウントで記入内容の具体的な内容に触れずに、「どんな傾向がみられるか」などの結果を公開する。
②-2(デジタル媒体(公式SNS等:オープンな交流場所))
公式SNSアカウントでテーマに沿った記入内容を公開する。
<公式SNSアカウントで発信することのねらい>
本企画(匿名ノート)に関する広く意見や感想、デジタル媒体における次月のテーマ等を募集するためである。そして、参加してくれた方あるいは参加していない人も含めた交流の場を構築するという狙いもある。
③筑波大生の中でも、中々人に相談することのできない人々、あるいはその他の人々の会話だけでは得られない交流の場として成立させる。本ノートは一時的な企画であるが、本企画の終了後も交流が残る、交流の輪が拡大する企画であることを目標とする。
④私は現時点で、卒業論文において前項の②で触れたような「消えない文化」を対象に研究を行いたいと考えている。本企画を通して、自分の研究の方向性を確かめたい、という狙いもある。
具体的な活動計画 〈活動内容〉
①アナログ媒体(ノートブック:クローズドな交流場所)
1 大学図書館入り口付近と体芸図書館等に匿名ノート、消毒用アルコール液等を設置する。このノートは誰もが記入できるものである。
2 参加者には自由に書き込んでもらう。次項の〈匿名ノートへの記載内容について〉に記載したルールに抵触しない内容であれば削除等の対応は行わない。
3  まずは約1か月間ノートを設置し、ノートの回収を行う。
4 直接内容を公開するのではなく、各ノートにどのような傾向がみられたのか、といった分析結果をSNS等で公開する。

②デジタル媒体(公式SNS等:オープンな交流場所)
1大学図書館入り口付近と体芸図書館等に設置した匿名ノートの横にQRコード(『Google Form』や『質問箱』を用いた記入フォーム)を貼る。また、公式SNSアカウントでも匿名ノートとQRコード(上記記入フォーム)について取上げ参加者を広く募る。
2上記のQRコード(『Google Form』や『質問箱』を用いた記入フォーム)から寄せられたコメント等は運営メンバーのみが閲覧することができ、また、内容の確認を行った上でテーマに基いた記入内容に限り公式SNSアカウントで公開を行う。
3記入にあたっては、月ごとにテーマを設定する。(例『好きな作品は?』)そのテーマに沿った記述を行ってもらう。テーマを設定することで、記述内容に制限は出るものの、焦点を絞ることで交流の輪は広がりやすくなると考える。また、テーマを設定することでSNSでの発信に軸が生まれ、新規の参加者を取り込みやすいと考える。
4<ゴール>の②₋2で示した通り、デジタル媒体に集まった意見については、公式SNSで内容の公開を行う。公式SNSで公開するのは、テーマに沿った内容のみとする。テーマから外れる記述はSNSで公開を行わない。参加してくれた方あるいは参加していない方も含めた交流の場を公式SNS等で構築できると考える。そのことによって、更に本ノートへの関心が高まり、筑波大生の交流の輪が拡大していくと予想される。多くの関心が集まった場合は、参加者や興味のある人間同士が意見を交わせる交流の場を形成することも視野に入れる。


〈匿名ノートへの記載内容について〉
・各ノートの見開きに、公式SNS、『Google Form』や『質問箱』等に、記入内容について以下のルールを厳守することを明記する。
⒈アナログ媒体(ノートブック:クローズドな交流場所)
① 内容がそのまま公開されることはありませんが、記入者を特定できない形でプランナーが編集したものが公開される可能性があります。同意された方のみ記入をお願いします。「記入したいが、非公開にしたい。」という場合は、記入した内容に非公開にしたい、という旨をご記入ください。
公開場所は以下を予定しています。
・公式SNSアカウント(@Tsukubanote)
・活動の広報・分析目的のための媒体
② 匿名ノートの持ち出しやページを破る等の行為は禁止です
③ 匿名ノートに記載されている内容の撮影、SNSへの投稿等は禁止です(撮影希望の場合は必ず事前にプランナーに許可を得ること)
④ 特定の個人が特定されるような書き込みはしないでください(住所・電話番号・氏名等)
⑤ 他者が不快になるような書き込みはしないでください
⑥ 匿名ノートに関する質問や要望等があればプランナー、T-ACTまでご連絡ください。

⒉デジタル媒体(公式SNS等:オープンな交流場所)
以下の内容を記入フォームの概要欄に記載する。
①公式SNS、『Google Form』や『質問箱』に寄せられたコメント等が公開される可能性があります。同意された方のみ記入をお願いします。「記入したいが、非公開にしたい。」という場合は、記入した内容に非公開にしたい、という旨をご記入ください。
公開場所は以下を予定しています。
・公式SNSアカウント(@Tsukubanote)
・活動の広報・分析目的のための媒体
② 提示したテーマに沿っていない上、第三者への誹謗中傷等を含む記述につきましては、プランナーの判断で削除させて頂きます。
③ 特定の個人が特定されるような書き込みはしないでください(住所・電話番号・氏名等)
④ 他者が不快になるような書き込みはしないでください
⑤ 匿名ノートに関する質問や要望等があればプランナー、T-ACTまでご連絡ください。


〈スケジュール(ノートの設置期間)〉
企画申請が通った後、各所に匿名ノートを設置する。
まずは1か月間各エリアにノートを設置し記述を集める。その後、公式SNSアカウントで内容を公開し、意見や感想を集めて公開する。継続してノートを設置するか否かについては、ノートの記入状況を踏まえてT-ACT職員と協議を行った上で決定する。誹謗中傷等の記述が連続し、企画の継続に支障が出た場合は中止するものとする。

<デジタル媒体とアナログ媒体における差異について>
①テーマ設定の有無について
アナログ媒体ではテーマ設定は行わない。それに対して、デジタル媒体ではテーマ設定を行う。それはひとえに媒体の特性が異なるからである。

⑴アナログ媒体(ノートブック:クローズドな交流場所)
アナログ媒体では参加者同士がノート上で直接交流を行うことができる。こちらは参加者を中心としたコミュニケーションを取ってもらう形になる。

⑵デジタル媒体(公式SNS等:オープンな交流場所)
デジタル媒体では、企画自体を発展させるためにも、参加者から意見を集め、関心を集めることが重要になる。そのため、参加者と匿名noteとの交流という形を取る。テーマ設定を行うことで、集まった意見をまとめた形で公開しやすい。まとめて公開することで、拡散もされやすく、非参加者の目にも止まりやすい。こちらは、匿名noteを中心としたコミュニケーションを取ってもらうことになる。企画自体が軌道に乗れば、アナログ媒体と同様の形を取ることも検討する。

②公開内容について

⑴アナログ媒体(ノートブック:クローズドな交流場所)
こちらは、記入傾向など、大まかな内容について伝える。記入者個人が特定できる形での発信は行わない。傾向等について公式SNSでの発信を行うのは、アナログ媒体の存在の周知のためである。

⑵デジタル媒体(公式SNS等:オープンな交流場所)
こちらは設定したテーマに沿っているとされるものに関しては、公式SNSで公開を行う。それは、①で示したデジタル媒体の特性も関係している。さらに、デジタル媒体はアナログ媒体とは異なり、匿名性が保たれているからである。
活動場所 下記エリア(予定)にノートを設置する。
・中央図書館入り口付近
・体芸図書館
・スターバックスコーヒー筑波大学中央図書館店
・サザコーヒー筑波大学アリアンサ店
(※本企画申請の実施許可が得られた後、各管理部局・店舗にノート等の設置許可依頼を行う。依頼にはTーACTのボランティアアドバイザーである木田が同行する。断られた場合は、TーACTフォーラムメンバーと相談の上、他の配置場所を検討する。)
(※設置場所については、防犯上、加えて誹謗中傷等が記入されるリスクの軽減のために観点から人目につく場所を予定している。)
活動期間 2022/10/11 ~ 2023/03/31
イベント日・時間 2022/10/11 ~ 2023/03/31 06:00 ~ 06:00
対象者 学生、教職員、学外者
予定希望人数 50人
最低必要人数 1人
企画または
グループのURL
https://twitter.com/Tsukubanote
企画申請者(プランナー) 大久保伊織(比較文化学類2年)
オーガナイザー 大橋翔和(比較文化学類2年)
パートナー 小川美登里(人文社会系)
備考 ・筑波大学およびT-ACTの設定した感染防止対策ガイドラインに従う。
・対面での実施については茨城県及びつくば市、筑波大学の要請等を確認し、大学の感染症対策に応じて判断する。
・感染防止策が徹底されているかについては、パートナー教員およびT-ACTに確認する。
・対面での活動を実施するかの判断は、前日までにパートナー教員と相談して決定する。
・参加者は必ず過去2週間以上の健康観察記録をつけ、持参するとともに、担当者が記録表を管理する
・対面での活動中は、マスクの着用、消毒を徹底する。
・活動形態、場所、参加者、内容をまとめた活動記録を作成し、担当者が管理する。
・活動の以後2週間は体調に憂慮し、参加者に問題があれば報告してもらう。
・プランナー・オーガナイザーに感染の疑いがある場合、「新型コロナウイルス感染が疑われる場合の本人の行動フロー」に従って行動し、発生状況を担当者がT-ACT推進室へ必ず報告すると同時に、対面での活動を停止する。
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