企画 詳細情報

受付番号 U21017
承認番号
21008A
企画名 筑波大学 Open Digital Twin project
活動分類 セミナー・ワークショップ
活動目的 [ゴール」
フォトグラメトリ技術によって、筑波大学・筑波キャンパスの3Dデータ、および点群データを作成し、誰もが使用できる形でWebに公開し、同時にCesium ion上でデータの閲覧を可能にすることを目的とする。

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[用語の説明]
デジタルツインとは
リアル(物理)空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを元にサイバー(仮想)空間でリアル空間を再現する技術。
また、リアルの空間を再現したデジタル上のフィジカルコンポーネントを指す場合もある。(3Dモデル等)

フォトグラメトリとは
被写体をさまざまなアングルから撮影し、その解析して共通の特徴点を見つけ出し、写真を統合するようにして立体的な3DCGモデルを作成する手法。
(人間が左右の目で立体物を認識するように、複数の写真からモノの立体を再現する)

点群データ(ポイントクラウド)とは
・3次元座標値 (X, Y, Z)
・色の情報 (R, G, B)
の情報を持つ複数の点をまとめたデータ。
この企画では、フォトグラメトリ処理の中間過程で、複数の画像で共通する特徴点をマッピングした点群データが生成される。(推定値)

Cesium ionとは
3次元位置情報を活用するために設計されたソフトウェアの基盤となるオープンプラットフォームで、ブラウザ上で動作する。
点群データ, 3Dモデル等のデータをアップロード, ホスティング, 公開することで、誰でもウェブブラウザ上でそのデータが加えられたマップを閲覧する体験が可能。
この企画では、ただ作成したデータをみんなに手軽に見てもらうために導入する。
(誰でも編集、追加できるGoogle Earthみたいなイメージ)
https://cesium.com/ion/

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[社会的背景と動機]
Society5.0への移行にはデジタルツインが一つの大きなキーワードになります。IoTで情報を収集し、AIで処理し、IoTで必要な情報をモノ返し、モノが自動で動くという世の中になりつつあります。
それと同時にXR(VRやAR等)の分野の発展により、リアルとバーチャルの境界が薄くなってきています。
また、XRの応用でメタバースの概念も次第に幅を利かせるようになり、これからどんどん人間は仮想空間で過ごす時間が増えていくと予想されます。
5G無線通信インフラが大学に付設されることや、より一層のコンピュータの演算性能の向上等も考え、数年のうちに大容量データの運用がより容易になると思われます。
そういった時代へと変化が加速するのに先駆けて、データ量としては膨大(トータルで1~5TB程を想定)となりますが、大学の高解像度のモデルを作成し、そのデータを利用しやすい形式に整え、オープンデータとして公開することを目指すことにしました。

今年に入り、国土交通省を中心にProject PLATEAUという3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化 のリーディングプロジェクトが進められています。
都市活動のプラットフォームデータとして 3D都市モデルを整備し、オープンデータとして公開して誰もが自由に都市のデータを引き出し、活用できるようにしよう。さらにはそのユースケースを創出しようというプロジェクトです。
https://www.mlit.go.jp/plateau/
このT-ACTの企画はProject PLATEAUと似かよったゴールや動機となっています。

プランナーの中村自身、このT-ACTでの活動を通じて大学のモデルを作成した後、VRChatのワールドをつくったり、大学を舞台にしたゲームをつくったりすること等も目指そうと考えています。
大学のデジタルツインモデルがあれば、自分以外の方も、何らかに筑波大学ならではのコンテンツを作成したり、デジタルツイン等の研究開発であったり、自分の創造もつかない様々なユースケースが潜在的にあるかと思われます。
おそらく、数年後にはフォトグラメトリよりも良い技術(Lidar等)により、今回T-ACTで作成するモデルよりも高精細なモデルが登場し、皆が使用できるように公開されると予想します。
ですがそれを受け入れた上で、時代に先駆けてモデルを作成し、それが結果として誰かの役に立てればいいな、筑波大学の独自のカルチャーが発展すればいいなと思う次第です。
具体的な活動計画 具体的な活動計画

[活動内容]
①ドローン飛行申請
②ドローンを飛ばして写真を撮影する。
③フォトグラメトリの処理を行う。
④利用しやすい形式にデータを整える。
⑤サーバーを立て、データをホスティング、公開する。

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[活動内容の詳細]
①ドローン飛行申請
人口集中地区、人・物件30m以内等の理由により、1.国土交通省への申請が必要となる。
また、それと同時に物件を撮影するため、2.物件の所有者にも許可を得る必要がある。
1.国土交通省(DISP)への飛行申請。(既に完了)
2.筑波大学への申請。(T-ACT承認後申請)
会議での審議や各大学組織と相談、各場所の管理組織共有される必要があるが、学生生活課が窓口となり、申請を仲介してくれる。
3.飛行情報共有システム(FISS)にフライト情報を登録する必要がある。このプラットフォームにより、第三者への飛行情報の共有を行う。

天候や人の通行具合等によってフライトが左右されるため、大学の各エリアそれぞれ、1週間程度の期間を包括的に申請する予定。

②ドローンを飛ばして写真を撮影する。
プランナーが所有するMAVIC 2 PRO を使用する。
東京海上日動ドローン保険・損害賠償保険・ライトプランに加入。
(破損、紛失した際は上位互換機を新たに購入する予定)
プランナーのみ飛行を行う。
基本的には予めスキャン範囲を指定した自動飛行で撮影を行う。
人のいない時、南中する時、曇っている時、など、タイミングを見計らってフライトさせる。

③フォトグラメトリの処理を行う。
Agisoft Metashape や Reality Captueといったソフトウェアを使用する。
Agisoft Metashapeはプランナーが所有している。
例として、ハイエンドなPC(Ryzen9 5950X, Geforce RTX 3070)で1000枚の24MP画像から3Dモデルを作成するのに半日ほどかかる。
それを撮影したデータごとに処理をかける。
相当な時間がかかる。

④利用しやすい形式にデータを整える。
・高精度, 高解像
 精度は写真撮影で大部分が決まる。解像度とデータ量はトレードオフ
・軽量化
 無駄な部分のポリゴン数を減らすことでデータ量を小さくする。
・LOD (Level of Detail) 作成
 ユーザーの利用目的等に応じた解像度, データ量を選択できるように詳細度の異なる複数種類のモデルを作成し提供する
・ブロック分け
 大学のエリアごとや建物ごと、緯度経度ごとにブロック分けすることで、ユーザーが必要な部分のみをダウンロードして使用することが可能になる

⑤サーバーを立て、データをホスティング、公開する。
点群データ、3Dモデルを合計すると数TBに及ぶため、リクエスト数やデータ量に応じて値段が高くなってしまうクラウドサービスを使用することは断念する。
研究室にて個人のPCをサーバーとして稼働させていることもあり、そこに乗っける予定。
静的Webページを作成し、ユーザーはそこからダウンロードできる形式にするスタイルを考えている。
利用規約、その他必要な情報はにここに掲載する予定。
また、容易なビジュアライゼーションのためにCesiumに公開する。
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[募集人員]
今回のプロジェクトで作成するモデルのバリューを一緒に高めていってくれる方を募集します。
高精細なモデルをできるだけ早くパブリッシュすることは当然バリューとして考えられる他、そのモデルを使用して何かしらのコンテンツを作ること等もバリューを高めることだと考えています。
残念ながら、参加者には大学内でドローンを操縦することは飛行ルール上していただくできませんが、それ以外のことはおそらく協力して頂けます。
何をするか、どのくらい関わるかは参加していただく方に基本的に委ねます。
ドローンの飛行に興味のある方やフォトグラメトリの処理をしたり、3Dモデルの調整をしてみたい方、はたまた、モデルのパブリッシュ前に何かしらのコンテンツを作り始めたい方等いらっしゃいましたら、気軽に参加してみてください。
活動場所 筑波大学内でドローンを飛ばす。
春日エリア、追越宿舎エリア、平砂宿舎エリア、医学エリア、体育施設エリア、体育・芸術エリア、大学会館エリア、本部棟エリア、第一エリア、第二エリア、第三エリア、実験センターエリア、一の矢宿舎エリア、農林技術エリア
に区分し、全て飛行申請を出す。

撮影以外は基本的にはリモートワーク
活動期間 2021/08/01 ~ 2021/12/31
イベント日・時間
対象者 学生
予定希望人数 5人
最低必要人数 2人
企画または
グループのURL
企画申請者(プランナー) 中村太誠 (生物資源学学位プログラム 修士1年)
オーガナイザー 清水宗民 (生物学類 4年)
パートナー Tofael Ahamed (生命環境系)
備考 [ドローン撮影におけるプライバシーに関わる問題]
ドローンを撮影する際、①撮影行為、②公開行為の2つの行為について問題となることが多い。
①撮影行為に関しては、大学宿舎の上空も飛行申請を出すため、撮影行為が問題になりやすい箇所もある。ドローン飛行の申請の窓口である学生生活課からの指示に従い、大学の判断に委ねる。
②公開する際は、個人が特定できてはならない。
個人が特定されうる画像は一般には公開しないよう厳守する。
フォトグラメトリ用の画像には人は写ってほしくないため、人を避けた時間帯に撮影する。人が写った場合、フォトグラメトリ処理が失敗しない範囲で人が写った画像を除外する。(フォトグラメトリ処理で使用する画像≠公開する画像)

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[プランナーと参加者間でのプライバシーに関するデータの管理]
プロジェクトで使用するファイルは大容量になるため、基本的にはプランナーの研究室に設置しているファイルサーバにデータを置き、参加者に制限された権限を付与することとする。
撮影データの仕分けの際はプランナーが行うものとし、
公開しても良い画像のみ参加者が閲覧できるようにする。

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[新型コロナウイルス感染予防対策]
・万に一つ、プランナー及びオーガナイザーに感染の疑いがある場合、「新型コロナウイルス感染が疑われる場合の本人の行動フロー」に従って行動し、発生状況を健康管理担当者がT-ACT推進室へ報告し、外出が必要な活動を停止する。

・ドローン撮影日、および対面実施日
プランナー及びオーガナイザーは、健康観察記録表を用いて撮影2週間前から体温測定を行う。プランナーは健康管理担当も兼ね、健康観察記録の確認と管理を行い、前日までに健康観察記録表をT-ACT推進室へ報告する。
マスクの着用、ソーシャルディスタンスを保ち行動を行う。
日付、場所、時間( 時~ 時)、参加者氏名、手で触れることの出来る距離で15分以上の接触があったもの(学外者を含む)に関する情報を記録し、保管する。

・屋内での活動の際は更に
活動の前後で必ず手指の消毒を行う。
密集を避け、飲食はせず、30分に一回程度、5分程度の換気を行う。
物品の共用は避ける。

その他筑波大学およびT-ACTの設定した感染防止対策ガイドラインに従う。

また、今後、緊急事態宣言等の発令の可能性も十分あり、都度活動可能な範囲を吟味し活動する。

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[データの公開に際し]
データは人に手軽に利用してもらうために作成する。
商業利用OK。商業利用する際のクレジット等も特に求めない。
利用規約に関しては、作成されたデータに応じて、大学の不利益にならないように、かつユーザーが安心して利用できるように、利用規約を作成する。その際には利用規約に関する知識を有する機関(例 国際産学連携本部)に交渉しご指導いただく予定である。
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