企画 詳細情報

受付番号 U17056
承認番号
18004A
企画名 大人になってから生きづらくなる「児童虐待」を考える講演会を開きたい
活動分類 講演会・トークイベント
活動目的 ※はじめに※
この企画は「児童虐待」をテーマに扱う企画です。精神的にストレスを感じることがあるかもしれません。その場合は無理をせず、読み進めることを中断されるようお願いいたします。


この企画では児童虐待を考える講演会を開きます。児童虐待は日本社会が解決しなければならない大きな問題の一つです。


平成28年に全国210ヵ所の児童相談所が扱った児童虐待の件数は、12万2578件という非常に大きなものでした。この数字は児童相談所が扱った件数、つまり認知された件数に限られたものです。したがって、実際には、この数倍の児童虐待が誰にも分からないようなところで起きていると考えることが出来るでしょう。これは日本社会において非常に大きな問題だと言わざるを得ません。


私はこの問題をどうにか解決なければならないと危機感を持っています。この問題を解決するために、今回は今一生さんを講師としてお招きし、児童虐待についての講演会を行って頂きます。今一生さんは2017年に『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』を編著者という立場で作りあげられました。この本は1997年に同様に出版された『日本一醜い親へ手紙』の続編という位置づけです。このように、今一生さんは20年間に渡って虐待をテーマに活動をされてきました。


児童虐待の問題を「虐待する親が悪い」と、親に責任を帰すことは簡単なことです。しかし、実際には「社会構造」にも問題があります。例えば、児童虐待の要因として「育児不安」があると言われます。「育児不安」はその親だけに責任があるのでしょうか。きっと、違うはずです。育児不安を持つ親を孤立させず一緒に子育てをしていくことは社会の役割です。社会の役割が機能しておらず、親の育児不安を助長し、虐待が発生してしまったと考える方が妥当です。社会構造に問題があり、それが原因で虐待が発生している側面があるということです。このことから、社会構造を変えなければ児童虐待の問題は無くならないと考えることが出来ます。


上記の通り、児童虐待を日本から無くすために「社会構造」そのものを変えていかなくてはなりません。そして少しでも社会構造をいい方向に変えていくために、より多くの人に児童虐待の現状を伝えるべきです。日本の有権者数は1億人程度です。その中の10分の1の人数にあたる1千万人に児童虐待に対して危機感を持ってもらえれば、法律をはじめとした社会の仕組みを変えることが確実にできるでしょう。そこまでいかずとも、一人でも多くの人に児童虐待の現実を知ってもらうことが、社会をいい方向へ動かすために必要なことだと考えます。それに加えて、講演会の参加者には、その現状についての理解も安易なものではなく、深い理解をしていただきたいと考えています。そのために講師である今氏には、二つのテーマに絞って話をしていただきます。


一つ目は「大人になっても児童虐待で苦しむ人は多い」というテーマです。児童虐待は大人になっても苦しみが続くことがあります。大人になって親から離れれば、虐待からは解放されるでしょう。ですが、その苦しみからは解放されないことも多いのです。中には大人になってから「自分は虐待された。」と気が付く人もいます。その数は決して少ないものではありません。中には生きづらさを抱えたまま、そのことに気が付かない人もいます。私はこれを大きな問題だと捉えています。今氏には講演会でまずこのことを扱っていただきます。


参加者の皆さんには、大人になってから児童虐待で苦しむ人は多いということを知ってもらいたいと考えています。このことを知ってもらいたいというのが今回の講演会の目的になります。しかし、自分の生きづらさの正体は「虐待」が原因であったと考えるようになるひともいるかもしれないと考えています。今回の講演会は「虐待が自分の生きづらさの原因である」と考えるようになるを目的にしたものではありませんが、そのこと自体は良いことだと考えています。自分が受けていた虐待に気が付くことには大きなメリットがあるはずです。それは自分の生きづらさに「対処」できるようになるというものです。例えば、自助グループに参加して少しずつ問題に向き合うなどということも可能になるでしょう。もし、それに気が付かないままであれば、なんとなく生きづらさを抱えたまま生きていくことになります。モヤモヤとした「対処」のしようがない生きづらさです。この問題を解消できるというのはメリットと言えるでしょう。ただし、これは会の運営において精神保健上の必要な配慮を行わなければ、生じるデメリットが大きすぎると言わざるを得ません。この点については、具体的な活動計画欄において後述します。

二つ目のテーマは「ソーシャルビジネス」です。「環境・貧困などの社会的課題の解決を図るための取り組みを持続可能な事業として展開すること。」と定義されます。私は、小中高と教育を受けてくるなかで、「ソーシャルビジネス」というものに触れたことはありませんでした。ほとんどの方もきっとそうだと思います。社会企業は「どれだけ社会にいい影響を与えられたか。」を活動の成功の物差しにします。「ビジネス」と「福祉」を融合したような形と捉えてください。このようなソーシャルビジネスの例を交えて、「児童虐待」をどう解決するかを、今一生さんにはお話ししていただきます。


現在の日本社会には大きな問題が山積しています。その中でも児童虐待は大きな問題です。私は児童虐待をこの日本から無くしたいと考えています。講師の今氏も危機感を持って児童虐待の問題に取り組んでいます。今回の講演会で学んだことはきっと皆さんの役に立つでしょう。そして、参加者の皆さんそれぞれが社会問題の解決に向けて、一歩を踏み出すための起爆剤になればうれしい限りです。
具体的な活動計画 《活動計画》

【活動の内容】 「児童虐待」を考える講演会を行う
【日時】平成30年 5月12日・13日
【場所】Tsukuba Place Lab
【予想来場者数】総計25人
【講師】今一生

具体的な内容
・上記のイベントにかかわる費用の捻出
 (詳しくは、予算書に記載してあります。)
・広報
など

【企画の実施上必要な配慮について】

「児童虐待」を扱う以上は、参加者の精神保健上の配慮を欠かすことができません。特に被虐待者であれば「フラッシュバック」が起きてしまうこともあるかもしれません。また、講演を聞く中で自分が虐待されていたということに気が付く人がいるかもしれません。そのことがその人の心を深く傷つけてしまう恐れもあります。これらのリスクについて、現時点で考えうる配慮を下に記します。


私は、「意図しない気づき」への配慮の必要性が最も高いと考えます。「意図しない気づき」とは、先述のように「自分の生きづらさの原因が虐待であったと考えるようになる」ことを指します。これは参加者にかなりの精神的ショックを与える可能性があります。これに対しては、ポスターやチラシといった広報の段階で精神的なショックを感じることがあるかもしれないと書き、それを周知します。また、虐待に興味がある人をターゲットに絞った宣伝の方法をとります。わかりやすく言えば、「軽い」感じではなく、「重い」会であることが分かるような形です。これによって、「虐待」に興味がある人や、もしかしたら自分が虐待されていたかもしれないと既に気が付いている層がメインの参加者になるはずです。これは「意図しない気づき」をある程度防止する役目を果たすはずだと考えます。

次に、会の運営すべてに共通する配慮です。今回の講演会は「虐待」という精神的にストレスの大きいテーマを扱います。虐待されていなかったような人の心にも大きなストレスやショックを与えてしまうことがあるかもしれません。このリスクに対する配慮として、心の準備が出来ていない状態で、いきなり重い話をされるということが最大限少なくなるような運営や広報を行います。例えば先ほどと同様に、チラシやポスターの段階で「精神的にストレスがかかる重い話をしますよ。」ということは周知します。会場でも講演会を始める前に「精神的に大きなストレスを感じる可能性がある」ということはしっかりと参加者の皆さんにお伝えします。これによってある程度、心の準備をした状態で講演が聞けるのではないかと考えます。

講演会の広報や始まる前の段階で考えうる限りの配慮をしたとしても、講演会の最中に大きなストレスを感じてしまう人もいるかもしれません。そのような場合にもすぐにその場から逃げ出せるような工夫をするべきだと考えます。もし、講演会の最中に抜け出したくなれば、すぐに抜け出せるように「気分が悪くなったらスタッフに声をかけてください。」などと参加者への周知を徹底するというのがまず考えられる策です。

「虐待」というテーマを扱う以上、講演会の前やその最中だけ配慮をして終わりということはできません。講演会の後のことも真剣に考える必要があります。なぜなら、やはり精神的にストレスのかかるテーマでありそれが悪いほうに向かってしまう可能性があるからです。具体的には、フラッシュバックを引き起こす可能性や、精神的に落ち込んでしまう可能性などが考えられるはずです。このリスクへの対策については、筑波大生の参加者には保健管理センターの「精神保健相談」の連絡先を渡します。筑波大学外の参加者には、心の相談ダイヤルなどの紹介をします。(ただし、各関係機関には現時点では承諾は得ていません。今後、承諾を得る予定です。)


以上が現時点で具体的に上がっている策です。開催までの間にさらなる対策を講じるために、専門家に相談するなどの努力も継続していきます。
活動場所 イベント
Tsukuba Place Lab (〒305-0005 茨城県つくば市 天久保3丁目21−3 2階)
 
通常の活動
①人間学群ラウンジ
②T-ACT フォーラム
活動期間 2018/02/17 ~ 2018/05/13
イベント日・時間 2018/05/12 16:00 ~ 18:00
2018/05/13 16:00 ~ 18:00
対象者 学生、教職員、学外者
予定希望人数 40人
最低必要人数 15人
企画または
グループのURL
企画申請者(プランナー) 山口 和紀 障害科学類1年
オーガナイザー 障害科学類1年 尾﨑柊子、高野惣一、中村惇之介、中村初音、西航生、普久原舞、心理学類1年 三井鴻志朗
パートナー 大村 美保 人間系助教 (障害科学類1年担任)
備考
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